大阪滞在最後の夜、松井智惠の個展「置き去られた鏡」のクロージング・レセプションに出席した。前衛音楽家sara(ピアノ、perc)と磯端伸一(ギター)による音楽と、智恵、ヤンジャ、ミホによる日本語、韓国語、英語の詩の朗読という構成だった。最初は、パフォーマンスや、中央に吊るされた鏡を囲む抽象的で色鮮やかな版画をどう見たらいいのかわからなかった。やがて、混乱と抽象化によって作り出された空間の中で、私はこの人たちが誰なのか、自分が誰なのか、そして私たちが人生を通して経験するさまざまなアイデンティティについて考えた。
松井智惠『置き去られた鏡』 ギャラリーノマル(大阪) 4/20/24
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