インスピレーションを与えるアートとアーティストにスポットライトを当てる

シニッカ・ランゲランド - 森の精霊とのチャネリング(金沢・もっきりや、4/21・24

Sinikka Langeland at Mokkiriya, Kanzawa 4/21/24写真提供:クリストファー・ペラム

そして運命的なことに、シニッカはこの夜、ノルウェーからのツアーで、1971年創業の歴史あるジャズ喫茶&ライブハウス「もっきりや」に出演していた。西日本で彼女に出会えたのは、ありそうでなかったのと同じくらい幸運なことだった。シニッカは、39弦のカンテレ(テーブルの上に水平に置かれたハープの一種)を使って、森のフィンランド人の伝統音楽にインスパイアされたジャズ風の曲を演奏する。

シニッカの歌声は鐘のように澄んでいる。しかし、彼女の声の清らかさと、楽器の鈍い音色と相まって、深遠な何かを表現し、慈愛、神秘、古代の知識を伝えている。彼女の音楽は、原始の源から湧き出る清らかな泉のように、不純物がなく、驚きに満ちている。私は、シニッカの音楽がこれほどまでにグラウンディングさせ、浄化し、エーテル的なのはなぜなのか、そして彼女が日本で何をしているのか知りたかった!

松井智惠『置き去られた鏡』 ギャラリーノマル(大阪) 4/20/24

Shin'ichi Isohata 磯端伸 (guitar) & sara (piano, perc.) performing at the closing reception for Chie Matsui's exhibition 置き去られた鏡 The Forsaken Mirror at Gallery Nomart, Osaka, 4/20/24写真提供:クリストファー・ペラム

大阪滞在最後の夜、松井智惠の個展「置き去られた鏡」のクロージング・レセプションに出席した。前衛音楽家sara(ピアノ、perc)と磯端伸一(ギター)による音楽と、智惠、ヤンジャ、美穂による日本語、韓国語、英語の詩の朗読という構成だった。最初は、パフォーマンスや、中央に吊るされた鏡を囲む抽象的で色鮮やかな版画をどう見たらいいのかわからなかった。やがて、混乱と抽象化によって作り出された空間の中で、私はこの人たちが誰なのか、自分が誰なのか、そして私たちが人生を通して経験するさまざまなアイデンティティについて考えた。

KYOTOGRAPHIE KG+写真家集団「WOMB」(上田正美、川崎梨乃、カリーナ・レオナード、甲本紗奈)10周年記念展(2024年4月26日開催)

WOMB photographers Masami Ueda, Rino Kawasaki, Sana Kohmoto, and Kalina Leonard in front of the exhibit of WOMB magazines and photo books at their 10th anniversary exhibition at the Kyoto Museum of Photography

KYOTOGRAPHIE KG+ Photographer Group WOMBの10周年記念展は、見逃せない展覧会として丸を付けていた。WOMBのミッションは、女性的なまなざしを提供しながらも、子宮の機能を身体中心ではなく、隠喩的かつ拡大的に捉えているように思えたからだ。2013年9月から写真誌『WOMB』を発行している日本人女性写真家の小さな集団であるWOMBは、"まだ誰も知らないもの、ものが生まれる(育つ)場所 "をイメージしてグループ名と雑誌名をつけたという。幸いなことに、私は2人の写真家に会うことができた。KYOTOGRAPHIEでの多くの経験の中で、この写真展はハイライトとなった。正直なところ、期待以上に刺激的でやりがいのあるものだった。

林明日香— 「地球の歌」、東京(2024年5月5日)

Asuca Hayashi at MIFA Football Cafe, May 5, 2024写真提供:クリストファー・ペラム

晴天に恵まれた5月5日(日本では子供の日)、私はJ-POPシンガーの林明日香が主催する「大地の歌」というマチネーの子供・家族向けコンサートと昼食会に参加するため、ミーファ・フットボールカフェという、ありそうでなかった会場に足を運んだ。ミーファは豊洲にある。東京湾に浮かぶ人工島のひとつで、かつての東京・佃煮魚市場の南東に位置する。アスーカも東京の人々も、より健康的で持続可能な生活を求めて新たな道を歩んでいた。

自由の音:ピアニスト西山瞳@SUB(大阪、4/18/24)

Ro Hasegawa 長谷川朗and Hitomi Nishiyama 西山瞳 at Sub Jazz Cafe, 4/19/24写真提供:クリストファー・ペラム

大阪の代表的なジャズ・クラブであるSUBジャズ・カフェで、有名だが私にとっては初対面のピアニスト、西山瞳と出会ったとき、私は予想もしなかった場所に連れて行かれた。彼女はその場しのぎのバンドでジャズのスタンダードを演奏していたが、不思議な方向転換と、これまで認識されていなかったつながりの絶妙な精巧さを特徴とする彼女の音楽とキャリアは、私たちを自由にしてくれた。

KYOTOGRAPHIE KG+セレクト:宇佐美雅浩のコミュニティ万田ラス(2024年4月17日

「 Silent Rugger Men, Jingu Gaien 2023 」by Masahiro Usami写真 © 宇佐美雅浩

宇佐美雅浩は、時空を超えた関係性のある旅をすることで、ある共同体の旅の本質を理解し、その共同体との共同作業によってとらえる写真曼荼羅というアートを創作している。彼の言葉を借りれば、「(長期にわたる曼荼羅シリーズの)個々の写真には、それぞれ異なる地域や立場の人物が中心に描かれ、その周辺には、まるで仏教の曼荼羅画の形のように、その人物の世界を表現する人や物が配されている」。彼の最新作は、東京の中心で愛され、歴史ある公園の過激な再開発計画をめぐる市民と開発業者との対立を描いている。

ヴァレンティーナ・ベニーニ - 脆弱さのダンス(2024年アルル・フェスティバル・オフ)

Palpitating Heart写真:ヴァレンティーナ・ベニーニ

レ・ランコントレ・ダルル・デ・ラ・フォトグラフィーを見るためにフランスの美しいアルルに滞在していた間、私が最も楽しんで訪れた展覧会のひとつは、フェスティバルにはまったく参加していなかった。その代わり、ヴァレンティーナ・ベニーニの個展「Dancing Vulnerability」は、同時開催のFestival Off Arlesの一部だった。

レ・ランコントール・ダルルには26の展覧会があり、そのうちのいくつかはかなり大規模なもので、アルルのあちこちに点在している。しかし、街角に貼られたヴァレンティーナの展覧会告知には、スカートを翻したフラメンコ・ダンサーらしき華麗な写真があり、思わず目を奪われた。

キャンディ・ライブ・ジャズ・イン・京都のバック・トゥ・ザ・ガーデン(2024年4月17日)

Yuka Yanagihara 柳原由佳 (p), Kotono Nishimura 西村琴乃 (sax), Ayuko Ikeda 池田安友子(percussion) at Candy Jazz Gion in Kyoto 4/17/24写真提供:クリストファー・ペラム

京都に来て2日目の夜、西村琴乃(アルトサックス、ソプラノサックス)、柳原由佳(ピアノ)、池田あゆ子(パーカッション)のトリオを見に、祇園のキャンディ・ライブ・ジャズに行った。私は彼らの誰一人として知らなかったのだが、春の季節にインスパイアされた彼らのセットは、最初から感染力があり、リズミカルで冒険的で、高揚させるものだと感じた。

まるでトーマス・コールの絵のように、鳥のさえずりが聞こえ、一息つけるような緑豊かな川が流れる渓谷の山々から夜が明けていくような、月のない澄み切った夜に見上げると、はるか遠くにありながらすぐ近くに見える天の川の壮大さに目を奪われるような、そんな人間の手が加えられていない風景に迷い込んだような気がした。

You Don't Die: Story of Yet Another Iranian Uprising』(キョートグラフィー、京都、2024年4月16日)

The face of Mahsa (Jina) Amini is projected on the buildings in the Ekbatan neighbourhood of Tehran, accompanied by the slogan "Woman, Life, Freedom." October 25, 2022, anonymous photographer写真提供:匿名カメラマン

毎年京都で開催される広大な国際写真フェスティバル「Kyotographie(キョートグラフィー)」に行ってきた。今年で12年目を迎え、アジア最大級の写真フェスティバルとなった。13のキュレーションによるメイン展示と、100を超えるKG+、KGセレクト、特別展が京都中の大小の会場で開催される。この展覧会は、ル・モンドのフォトエディター、マリー・スマラ氏とル・モンドのジャーナリスト、ガザル・ゴルシリ氏によって収集・鑑定された、イラン国内での「女性、生命、自由」の蜂起を撮影した、ほとんどが匿名の1000枚以上の写真から抜粋されたものである。イラン人の同僚であるパヤム・エルハミとファルザド・セイフィカランの協力を得て、それぞれの写真の日付と場所を特定した。イラン国内のプロの写真家数名による写真も展示された。

死と向き合い、自分自身を見つける@京都UrBANGUILD(2024年4月16日)

Dancer Chizuko Kotani and 5-string fretless bass player Hajime Totani at UrBANGUILD FOuR DANCERS vol.281, 4/16/24写真提供:クリストファー・ペラム

京都での最初の夜、私は京都の中心部にあるカフェバー兼複合パフォーマンススペース、UrBANGUILDで開催されたFOUR DANCERS vol281に参加した。マンハッタンのローワーイーストサイドにあるオールドスクールなクラブのように、暗く、不潔で、チラシで覆われている。UrBANGUILDは、若手からベテランまで様々なアーティストを紹介し、非常に多様な観客を引きつけており、伝統的で保守的な京都において、現代的で実験的なパフォーミング・アーティストのオアシスとして愛されている。私は特に、小谷千鶴子と稲垣美輪子の2人のアーティストを観に来た。

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